Claire de Lune

 今年も早いもので、秋のお彼岸となりました。

 年明けて母が亡くなり、葬儀、納骨、新盆、お彼岸と行事が続く中で考えるのは、今後も一周忌、その後と続くこの行事は、「死」という今生の別れに対する受け容れと、「亡くなった存在」に対する新たな出会い、交流であるということです。

 「死」という「別れ」を受け容れない限り、「亡くなった存在」としてのその人との新たな出会い、交流を始めることは出来ない、その為に、定期的に法要、行事があり、縁ある遺族が集い、供養をする。もうこの世にいない、二度と会えないということを受け容れた上で、それでもその人を思い出し、感謝し続ける。


 昔は当たり前に行われていたこの行事がおろそかになってから、自分の「死」を極端に恐れたり、他者の「生命」を軽んじたりする、殺伐とした世の中になってしまったのではないでしょうか。

 「心の時代」などと言われますが実際はその逆で、「物」の時代であるからこそあえて「心」を持ち出さないと意識出来ない、死後の世界はあるのかないのかなど早急に結論を求めてしまう、少し危うい時代であるとも言えます。

 あと何年生きるのか、どのように死ぬのかはわかりませんが、生命ある限り、今まで出会った全てのご縁ある人、亡くなった人と共に日々役割を全うして行くのみです。

 


Debussy Claire de Lune ドビュッシー「月の光」 ピアノ