Gymnopédie No.1

 人は寿命で亡くなる。

 これは、いつの間にか私に身についた考え方です。
 そして、その寿命は一人一人異なっており、人それぞれに個性がある様に亡くなり方も例外ではなく、然るべき時に、その人の人生というお役目を終了するのだと思う様になりました。

 世間様は何事も平均的な物差しに頼りたがる傾向があり、人の寿命を80歳ぐらいに設定して、それより長ければ大往生、短ければ早過ぎると発言しがちですが、そうではありません。

 考え方によっては幼く終えた生命でも大往生であるかも知れないし、長生きをした方の死であっても残された方の悲しみが癒えない場合も多い。

 人との別れは、それが何歳の時であっても、悲しみは深く、容易に立ち直れるものではありません。

 その死が病死であっても、不慮の事故であっても、残された側はそれがその方の寿命であることを受け入れ、自身も、やがて必ず訪れる最後の日まで、精一杯生命の炎を燃焼しつくすしかないと考えます。

 思えば、亡くなる方も、意識的無意識的に自分の最後は察するもので、亡くなる直前には、普段言わないお礼を近しい人に言ったり、これが最後かも知れないという名残惜しそうな行動を取ったりすることは、私も何度か経験しています。

 この長い宇宙の時間に比べれば人間の生命は本当に儚い僅かな時間ですが、その僅かな時間が長い宇宙の時間に等しくこの上なく尊いものだと思います。

 


ジムノペディ 第1番 / エリック・サティ|Gymnopédie No.1 / Erik Satie